睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS : Sleep Apnea Syndrome )は、睡眠中に何回も呼吸が止まり、ぐっすり眠ることができない病気です。
医学的には、10秒以上息が止まる状態を無呼吸といい、平均して1時間に5回以上、睡眠中に無呼吸が見られる場合はこの疾患と診断されます。
睡眠時無呼吸症候群の
症状
眠っているとき
- いびきをかく
- 息が苦しくて目が覚める
- 何度も目を覚まして、トイレに行く
- 呼吸が乱れる
- 息が止まる
日中、起きているとき
- 強い眠気を感じる
- しばしば居眠りする
- 午前中に頭痛を感じる
- 記憶力や集中力がない
- 全身倦怠感、疲れがとれない

睡眠時無呼吸症候群の
種類と原因
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者さんの多くはこちらのタイプです。
太った人に多いと思われがちですが、日本人の特徴である「短く平らな顔」「小さなあご」「喉が咽頭近くにある」などにより、太っていないから関係ないと判断するのは禁物です。
中枢性睡眠時無呼吸症候群(SAS)
呼吸中枢の機能異常によるもので、睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者さんの数%といわれています。
原因はさまざまですが、心臓の機能が低下した方に多く見られます。
睡眠時無呼吸症候群の
合併症
睡眠時無呼吸症候群による睡眠中の低酸素血症や高炭素ガス血症は、生活習慣病を密接な関係があり、様々な合併症を高率に引き起こすことが報告されています。
主な合併症
高血圧、多血症、不整脈、虚血性心疾患、心不全、脳血管障害、糖尿病・肺高血圧症、インポテツ
睡眠時無呼吸症候群の
検査
簡易型による自宅検査
・この検査では睡眠中の呼吸の状態、血液中の酸素飽和度を同時に測定し、無呼吸低呼吸の有無を知ることができます。
・検査は自宅で簡単に行うことができ、簡単な機械を装着して、スタートボタンを押していつもどおりに眠っていただくだけです。
・簡易検査の装置は専門業者がご自宅にお届け、回収を致します。その際に検査のやり方の説明を行います。
・検査を行ってから結果までは1週間程度 お時間を頂いています。
・次回の受診の際に検査結果をお伝えして、治療法の決定を行います。

精密型による入院検査
・この検査では、睡眠中の呼吸や脳波、血液中の酸素飽和度、心電図などを同時に測定し、睡眠の深さや質、呼吸の状態を調べます。
・睡眠中の状態を調べる検査のため、1,2泊程度の入院が必要となります。
・頭や胸腹、脚などに電極やセンサーを着けますが、痛みなどありません。
睡眠時無呼吸症候群の
診断
無呼吸の程度によって軽症・中等度、重症に分類します。
睡眠時無呼吸症候群の
治療
CPAP療法
CPAP療法は、CPAPという機械で、鼻より空気を送り、閉塞した上気道をおし広げることによって睡眠時の無呼吸をなくし、酸素不足を解消することができ、睡眠の質を向上させることができます。
CPAPを使用すると、大半の患者さんが使用したその日からいびきをかかなくなり、朝はすっきり、昼間の眠気も軽くなり、消えることもあります。
重症のSAS患者さんは、CPAPを使用しなかった患者さんより長生きすることも分かっています。

その他の治療法
生活習慣の改善
減量、横向きで寝る工夫、アルコールをを控える。
口腔内装置(マウスピース)
下あごを前方に固定することで、空気の通り道を開きます。この治療が適当と判断された場合、歯科医院へ紹介させて頂きます。
外科的手術
気道閉塞の原因がアデノイドや扁桃肥大の場合には、手術でそれを取り除くことで症状が緩和されることがあります。
手術による治療が適当と判断された場合、提携する病院へ紹介させていただきます。
よくいただくご質問
A:最終的には血管障害から脳卒中や心筋梗塞などを起したり、糖尿病等の生活習慣病が引き起こされます。
中等症の睡眠時無呼吸症候群を放置すると10年後には3~4割の方が死亡してしまうともいわれ、早期治療が必要です。
睡眠時無呼吸症候群は、呼吸が繰り返し停止するため、「ガス交換」(酸素を入れ、二酸化炭素を排出すること)が十分にできなくなります。また呼吸が止まることで、息苦しい状態から覚醒状態を引き起こし浅い眠りになります。そして昼間、強い眠気に襲われて仕事中の事故にもつながりやすくなります。
A:簡易検査、精密検査はもちろん保健適用です。
さらにその後の治療に関しても保険適用で行えますのでご安心ください。
詳しい費用を知りたい場合は、お気軽にご相談ください。
A:首が太くて短い、下あごが小さい、舌が大きい、鼻が曲がっているといった体型の方は、いびきをかきやすいといえます。
総じて肥満の方がこの病気にかかっていますが、やせている方もいびきをかくこともあります。
外見よりも喉の状態や形状が大きく関係していると考えられます。